北欧にて・その5
AbiskoはTorneträskという大きな湖の横にある村で、この湖は冬になると完全氷結してその上を歩く事が出来るようになる。雪が積もる前ならスケートですいすい滑れるらしいが、冬の終わりの3月にもなるとすっかりまっしろなので、Gon氏のクロカンスキーを借りて土曜のお昼にちょいと散歩しに行った。(クロカンスキーはTsuriststationでもレンタル可能。)
だだっぴろい湖の上を行くの図。おーい、待ってくれー。
アンドレアとケイティーが押しているのはsparkというソリのような物で、荷物や子供ぐらいなら前にのせてスイスイ滑れる優れもの。雪の上より氷の上の方が向いてる。所々雪が吹き飛んで氷が見えているところがあり、厚さは相当ありそう。それでもその下には魚が泳いでいる(らしい)ので、頑張って氷に穴を空ければアイスフィッシングも可能。
当初の予定では湖の対岸まで10キロほど歩いたところにある小屋(サウナ付き)に泊りに行ってのんびりする事も考えてくれていたけれど、あいにく連日の天気予報は悪く雪と曇りマーク一辺倒で、こんなところでホワイトアウトになろうものなら一生同じところをぐるぐる回る事うけあいだ。(って、同じ台詞の使い回し。視界の効かないところではまっすぐ歩いているつもりでも右か左のどちらかに曲がっており、ぐるっと回って結局同じところに戻ってきてしまうことをリングワンデルングと言います。)
Abiskoを去る日は、夜行電車は夕方に出るので昼にかけて近所の裏山Njullaにひとり登りに行ってみた。
スノーシューだけじゃなくてスパッツまで借りてよかったと心底思ったのは、沢沿いのルートからトレース無しの膝下ラッセルになった時だった。時折腰まではまる中、どうにか樹林帯を越えたぐらいまで歩いたところで風は強いは寒いわ時間も無いわで撤退。
まだまだ遠いなー、の図。(ルートはこっち方向じゃないけど。ピークは右上のさらにそのまた奥の方。)
村の方を見下ろすと、Tsuriststationの前を電車が静かにのんびりと走っていた。
風は冷たかったが日差しは暖かく、春の訪れを待っているようだった。