Good Bye New England

娘も元気に育ってくれている中、この街を離れた。

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(毎日通い慣れた職場の前から景色。ちなみに芝生のとこにウサギが2匹いた。)

  一年とほんの少しの間だけだったけれど、初めは右も左もわからなかったのがいつの間にか住み慣れ、多くはないけれど公私ともに友達もできていた。日本を離れるときは感じなかった「去るのが惜しい」という気持ちを感じるのは、大学時代を過ごした京都から離れたとき以来かもしれない。特に我々夫婦にとっては、まともに一緒に暮らし始めた最初の街であり、妊娠・出産を経験して娘が生まれた街でもある。本人は覚えてないだろうけど、またいつか訪れたときも今のままの良い街であって欲しいと思う。きっとその時にはもう知っている人もいないのだろうけど、研究者をやっている限り、彼らとはまたどこかで出会えるのではないかと期待をする。

 

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(University bridgeより望むCharles river)

 引越し業者が家の荷物を全て積み終え、空っぽになった家を引き払った。夜は市内のホテルに泊まって翌日移動する予定だったので、チェックインをして荷物を置いたあと、家の近くのお気に入りのレストランへ晩御飯を食べに行った。その道すがら橋の上からCharles riverを撮ったのだが、あとでこれが2年以上前に撮った写真とそっくり同じだった事に気付いた。

 たまたま大学時代の後輩がこの日に仕事で来ていたので、最後の晩餐を共にすることにした。彼は娘が生まれた時にもちょうど仕事でこの街に来ていて、まだ病院にいるときに遊びに来てくれたという、なんともタイミングのいい奴だった。大学時代に一緒にルームシェアもしていた後輩が、共に子供が生まれて父親になっても気軽にこんな異国で一緒に飯が食えるのがなんとも不思議だった。

 日が落ちるまで食べて話をし、彼を最寄りの駅まで送り、幾度となく我々も乗ったその電車が夜の中を走っていくのを、しばらくずっと眺めていた。