東海岸にて

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University bridgeより望むCharles river。

町の真ん中を川が流れているあたりが京都に似ていて、河川敷ののどかさとあわせてとても気持ちの落ち着く町並み。

 

学会や打ち合わせで東海岸をうろちょろ。

出張後半に、一晩で60cm以上雪が積もるという歴史的な大雪に見舞われつつもギリギリなんとか回避し(僕が乗った2本後の電車は運休したらしい)、無事帰国しました。

渡米中の知人らに各地でお世話になり、彼の地に暮らしてそこそこ長くなった人たちとも積もる話をしていると、とにかく強い勢いをもって日本を発っていても、その後の展開は人それぞれで、海外に出たからと言ってそこから先の事はまだまだ見えないものなんだな、と、昔には分からなかったごく当たり前の事を感じる日々でした。

 

名古屋への引っ越し以降、動きの多い慌ただしい日々が続いていましたが、やっと一息つけそうです。

2013

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あけましておめでとうございます。

ただ目の前の事をひたすら追われ追い続けた去年一年間でした。そのまま昨年中にケリをつけることが出来ないまま年を越してしまい、あまり新年という気分にはなりませんが、そのひとつは論文まであともう一息の段階なので、丁寧に最後の詰めをしたいと思います。

他にも、光が見える所まで焦らずに集中して進めるべきものから、まだ先が長いものや今後どうなるかまだ分からないものまで、ひとつひとつの新しい発見を丁寧にわくわくと進めて行けたら研究者冥利に尽きるなと思う。

ひいたおみくじは「大吉」。まずはひとつ、acceptを目指して頑張ります!

 

   *    *    *

 

関係無いけど、実家に帰って近所の神社に初詣に行ったとき、おみくじを引いてみたいと言う甥っ子に「おみくじぐらいばあちゃんがうちで作っちゃるわー」と母が言い、早く帰っておみくじ作ろうとせがむ甥っ子・・・。

・・・そんな裏技アリだったのかよ!Σ( ̄ロ ̄lll)

 

久々の

ブログ更新・・・じゃなくて、登りに行ってきました。岩に。

あいにく写真はないのだけれど、最近どんどん人気になっているという岐阜の岩場に初めて行ってみたのだけれど、想像を遥かに超える人気っぷり。岩がなければほとんど誰も来ないであろう山の中にたくさんのクライマーがあちこちにいて、あちこちで和気あいあいとクライミングを楽しんでいる。まるで街中のジムのような光景。こういうのもありなんだなー、と戸惑いながらも、久しぶりに一緒に登る仲間と、久々の岩場ということであれやこれやと気付けば丸一日登っていた。登れたのは三級が2本ほど、一級が2本(得意系のハングものは一撃でけた)。登れそうな一級が1本。どうやったらいいのか皆目分からない一級が1本。特に狙いもなくのんびりしていたけれど、なんだかんだで楽しんで過ごす事が出来たし、また行ってみようかなと思ったり。

翌日は上半身筋肉痛だったのも久しぶり。

 

そんな翌日も、アウトドア気分を思い出したまま"Banff Mountain Film Festival World Tour"へ。

 (↑ BGMといい、このプロモーションムービーは疾走感があって毎年よく出来てるなあと思う。)

上映作品の半分しか見なかったので登山ものは見られなかったけれど、やっぱりこの手の映像になるとSnow sportsもののいっちゃってる具合が際立ってて、自分でもできるもんならちょっとやってみたいなぁと、憧れてみたり。
あと、カナダでの撮影の中で白いアメリカクマに目の前まで迫るシーンが緊張感があって良かった。恐怖と興奮が相交じるような、なかなか味わえないそんな感覚。

 

そして今日、久々に論文を投稿した。数えてみるとこのテーマは始めてから4年もかかってしまった事に愕然ともするけれど、それなりに新しいブレイクスルーと今後の展開を目指してやってきた仕事なのだから、何とかいい形で世に出してやりたい。

ここからがやっと、たたかいの始まりだ。

去りゆくとき

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9月末日、長年住み慣れた京都をついに去った。

論文の仕上げとバッティングしてしまい、ほとんど準備なしでばたばたと引っ越しをしたが、荷物だけを引越した後も一週間ほど京都のからっぽの部屋で寝泊まりしていた。そんな寝袋生活も終わり、いよいよ京都を去る日の朝に大文字に登った。

裏山の中腹に登れば全体が見渡せる程度の広さの京都という町に、色んな人が住んでいて色んな店もあって、いわれのある観光スポットもあればささやかに風光明媚なところもある。10年ほど住んだだけでは何も分かり尽くせないけれど、20代の全てを過ごしたこの町で出会った全ての人たちのおかげで、今の僕はここにある。感謝してもし尽くせない。

そんな友達らも、ひとりまたひとりと京都を離れ、気付けば僕一人ここにいる事に気付くときもあった。

今やっと自分が去る側になったときに感じるのは、淋しさよりも、ほんの少しのワクワクとたくさんの慌ただしさ。これは多分、今そしてこれからやらなければいけない事に途切れがないからなのかなと思う。

それでも、Ago氏から来たメールに書いてあった「新しい日々に幸と冒険がありますように!」という言葉が沁みる。うむ。やるべき事をきっちりやりつつも、また新しい事にも挑戦していかねば。

とにもかくにも、京都よ、ありがとう!また会おう!

夏のはじまり

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夕暮れ時の雰囲気が、すっかり夏模様。旅に出たくなる。

落ち着き無く出張続きの一ヶ月、慌ただしいその最後の一週間が終わった。
しばらくは目の前の一番大きな課題に取り組む事ができそうだ。
連休の初日の朝は、大型放射光施設の堅い床の上で迎えた。
線路沿いの海を眺めながら帰京すると、灼熱の京都は祇園祭の人出で大賑わいだった。
連休の中日は、そんな喧噪の横を通り過ぎて再び前日と同じ海を眺めながら明石へ。
アメリカに赴任する後輩の車をうちの親が譲り受けるのに立ち会うのが本来の目的だったが、
色々遅くなったので僕はその後そのまま、すっかり物のなくなった後輩宅に転がり込み、
ツール・ド・フランスのピレネー山岳ステージ初日を観ながら飲んだ。
その時はまったく意識していなかったけれど、それは彼とのしばしお別れの飲みだった。
京都に来て10年以上。
ずっと人を見送ってばかりで、いつの間にか寂しさもあまり感じなくなり、
むしろ遊びに出かける場所が増えて嬉しいと思ったりもする。
それでも、ふとしたときに走りに行ったり、飲んだりする友達が近くにいなくなると、
忘れていただけの孤独感を思い出す。
そんな僕も京都にいられるのはあと二ヶ月かと思うが、
今は目の前の課題をいかに途切れなくこなせるかばかりを考えている。


梅雨の中日

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梅雨の合間に広がった晴れの土日、大学時代の先輩後輩らで集まって自転車で走っていたときにたまたま通りかかった風景。四谷千枚田と呼ばれるそうで、谷あいに上から下まで広がる棚田の中を、二度大きく突っ切るように道は通っていた。

その後も気持ちのよい峠道をいくつも越え、蒸し暑い炎天下にもやられ、腰は痛く、吐き気を押さえながら食料補給をし続け、体はバラバラになりそうになりながら走る事180km, 2800up。出し切ったとか燃え尽きたという感はなく、まったく踏めなくならないようペースを押さえつつも、どうにかこうにか最後まで走りきるので精一杯だった。

もうしばらく自転車に乗るのはイヤだと思うけれど、それでもしばらくしたらまた乗りたくなるだろう。一緒に走る仲間と、ゴールで待ってくれる人たちがいる限り。

北欧にて・その5

 AbiskoはTorneträskという大きな湖の横にある村で、この湖は冬になると完全氷結してその上を歩く事が出来るようになる。雪が積もる前ならスケートですいすい滑れるらしいが、冬の終わりの3月にもなるとすっかりまっしろなので、Gon氏のクロカンスキーを借りて土曜のお昼にちょいと散歩しに行った。(クロカンスキーはTsuriststationでもレンタル可能。)

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だだっぴろい湖の上を行くの図。おーい、待ってくれー。

 アンドレアとケイティーが押しているのはsparkというソリのような物で、荷物や子供ぐらいなら前にのせてスイスイ滑れる優れもの。雪の上より氷の上の方が向いてる。所々雪が吹き飛んで氷が見えているところがあり、厚さは相当ありそう。それでもその下には魚が泳いでいる(らしい)ので、頑張って氷に穴を空ければアイスフィッシングも可能。

 当初の予定では湖の対岸まで10キロほど歩いたところにある小屋(サウナ付き)に泊りに行ってのんびりする事も考えてくれていたけれど、あいにく連日の天気予報は悪く雪と曇りマーク一辺倒で、こんなところでホワイトアウトになろうものなら一生同じところをぐるぐる回る事うけあいだ。(って、同じ台詞の使い回し。視界の効かないところではまっすぐ歩いているつもりでも右か左のどちらかに曲がっており、ぐるっと回って結局同じところに戻ってきてしまうことをリングワンデルングと言います。)

 

 Abiskoを去る日は、夜行電車は夕方に出るので昼にかけて近所の裏山Njullaにひとり登りに行ってみた。

 スノーシューだけじゃなくてスパッツまで借りてよかったと心底思ったのは、沢沿いのルートからトレース無しの膝下ラッセルになった時だった。時折腰まではまる中、どうにか樹林帯を越えたぐらいまで歩いたところで風は強いは寒いわ時間も無いわで撤退。

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まだまだ遠いなー、の図。(ルートはこっち方向じゃないけど。ピークは右上のさらにそのまた奥の方。)

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村の方を見下ろすと、Tsuriststationの前を電車が静かにのんびりと走っていた。

風は冷たかったが日差しは暖かく、春の訪れを待っているようだった。