NYC

2月の連休を利用してニューヨークはマンハッタンに旅行してきました。

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 (ロックフェラーセンター屋上展望台からの眺め)

 

 今回は格安バスを利用して30ドルちょっとで往復でき、名古屋からちょっくら東京に遊びに行くぐらいの感覚で遊びに行けたのだが、世界で最も有名な大都会にここまで気軽に行けるのも凄いなと思う。またいつでも来れそうだし、あまり予定を詰め込まず、定番の観光スポットを何個か押さえる程度にしておいた。

 そもそもは、日本の友人が遊びに来てうちに滞在している間、せっかくなので一緒にニューヨークまで足を伸ばして観光に行く計画だったのだが、今年に入ってから頻発する大雪・ストームにぶち当たってしまい、友人はアメリカ国内線での乗り換えでまさかのフライト変更。結果的に、先にニューヨークに行ってもらって現地合流する羽目になったのだった。

 さて出発当日。市内の電車も前面運休した大雪の日が明けて翌朝、我々が乗るはずのニューヨーク行きのバスは時間になってもバス停に現れない。係の人も現れず、何が起きてるのか分からないまま、他の客は当たり前のようにその場で並んで待ち続けている。不思議な事にこういう時のアメリカ人は、待つことに関しては異常に我慢強い(当然、ラーメン屋での行列待ちも平気)。待つこと1時間半、何故か代替で他の会社のバスが現れて無事我々はニューヨークに向かうことが出来た。バスの中はwi-fiも使えて便利。朝が早かったので、車中で寝てる間にマンハッタンに到着。バス停からタクシーでグランドセントラル駅に行き、だだっ広い駅構内で無事、友人と落ち合うことができたのだった。

 そのまま駅地下のフードコートで、NY発の大人気ハンバーガーの昼食。これは大きさも控えめで、モス系の優しい美味しさのバーガーだった。しかし、こちらの牛肉しっかり系のハンバーガーを気に入っていた我々には物足りず、家の近所のお店の方にどうしても軍配が上がってしまう。(ちなみにここのお店は日本に進出予定らしい。)

 その後は高層ビルに上ったりタイムズスクエアで記念撮影したりとベタに観光をしてから、早めの晩ご飯へ移動し、そこで同期のTH一家と合流。NYで彼と会うのは2年降りで、思えばその時もニューイングランド地方にHistric snow stormがぶつかって、彼の家の雪かきをしたり家が停電になったりと、どうも彼と会うときには気象的にロクな事がない。卒業から7年近くが経ち、いい歳して留学を始めちまった自分と、研究者としての節目にいる彼。お互い先のことは分からないけれど、日本から遠く離れたこの国で藻掻いている仲間がいるのは心強いと同時に、自分も負けられないなとも思う。

 早めの夕食を終えた後は彼らと別れ、ブロードウェイのミュージカルへ。恥ずかしい話この国に来るまでは、ブロードウェイというのは何かストリートパフォーマンスをしている大通りの名前かと思っていたのだが、いざ実際にチケットを手配する段階になって初めて、そのエリアに一つでは無くたくさんの劇場が点在していて、それぞれで劇やミュージカルやパフォーマンスアーツなどを行っている事を知ったのだった。観に行ったのはこれ。自分が観たことのあるミュージカルといえば、サウンドオブミュージックとかレミゼラブルなどの映画しかなかったので、目の前で生の人間が歌って踊るのを観るは初めての事だ。そして、とても素晴らしかった。ありきたりだけどこれしか言えないほど良かった。

 観ている間につい考えてしまっていたのは、いま目の前で歌っている人たちは、どれほどの努力してこの場に立っているのだろうか、という事だった。いやしくも科学研究の世界で生きていこうとしている自分は、それに見合うだけ事が出来ているのだろうか、そんな事ばかり考えてしまっていた。

 

 

 ミュージカルを見終わった後は、真昼のように明るいタイムズスクエア近くのバーで少しゆっくりしてからタクシーでホテルへ。グラウンドゼロの横に立地しており、新しいビル群の建設が窓から見下ろせる部屋だった。夜遅く就寝。

 

 朝起きると、雪。

 自由の女神を近くまで見に行くのは諦め、NY定番のパンケーキを食した後に、9/11 Memorial へ。雪が降っていることも相まって、とても静かな場所だった。

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 あれから13年。跡地をどうするのかについてどういう議論があったのかは知らないが、水の落ち続ける二つのプールという慰霊モニュメントというのは、様々な立場の人に配慮をしなくてはいけないこの国らしい、印象的な建築物だった。

 9/11 Museum を出た後は川沿いの公園まで歩いて、自由の女神を遠目に見てから帰りのバス乗り場へ。帰りは問題なくバスも来て、爆睡している間にいつもの町へと戻った。たった一日ぶりだったけれど、NYと比べて遥かに暗いこの見慣れた町並みに近づくにつれて、ああやっぱり地元は落ち着くな、と不思議な感慨に浸っていた。

 そして、家に帰り友人と友人の荷物を放り込んだ後、僕は細胞を回収するべく一人で夜のラボへと行ったのだった。