雪の京都にて
もう大分前の事の様な気がする慌ただしさで日々が回っているが、この日は未明から雪が降り積もりはじめて、朝には京都市内でも珍しいぐらいの雪が積もっていた。
窓からさす白く明るい光に起こされ、朝から銀閣寺まで足を伸ばしてみた。
しんしんと、雪が池の中へと溶けていっていた。
思えば大文字山には何度も登っているのに銀閣寺の中を参拝するのは初めてで、このタイミングで訪れる事が出来たのはとても幸運だったと思う。想像していたよりも庭が広く、少し高台にもなっているので吉田山界隈をのんびり眺めるのにもよいお寺である事を今更ながら知った。
しかしここまで来たら、もっと高い、いつもの所へ。と大の字のところまで上がった。
大の字に並ぶ火床がまるで雪見大福の様にこんもりと丸まって、白く染まった京都を見守っていた。