ヒメボタル
先日、夜の大文字に登ったときはあえて明かりをつけずに登り下りをした。
初めは真っ暗で何も見えないけれどすぐに目が慣れてきて、はっきり見えるようになる。
所々森の中に入って月明かりも届かない時もあるけれど、かすかな段差はぼんやりと明るさの違いで見分けられるので、山を歩き慣れていればそれほど苦もなく歩ける。
気をつけなくてはいけない事といえば、時折すれ違う他の登山者(明かり付き)が近づいたときは早めにこちらの存在を知らせること。でないと、急に暗闇から現れた我々にメチャメチャびっくりされること請け合い。(経験あり)
で、そんな真っ暗な帰り道、ふと道の脇の草むらでぽつぽつと光るものが見えた。
こんな時期にホタル?川のすぐ横でもないのに?
と思って近づいて光るものを捕まえてみたところ、
ハサミムシのような大きさ・形の虫がいた。
もぞもぞと逃げるのを追いかけるように何とか撮った写真がこれ。
光は草むらの中でちらほらみえるものの、
明るさはよく見かけるホタルに比べると弱く、周期も長めだった。
たぶんホタルの幼虫と思われるこの虫が光っているんだろうけど、
我々には知識不足だった。
帰ってから詳しそうな人に聞いてみたところ・・・
>ヒメボタルです。幼虫はカタツムリを食べます。夜の大文字に多いよ。
おお!さすが!
>カタツムリ食べるからねえ。
>ライバルのことはよく知っておかないと〜
(注:彼はカタツムリを対象に進化の研究をしています。)
あんなちっちゃい体してカタツムリ食べるとは・・・。
>大きすぎるのはムリかも。でも,体ごと殻の中に入っていって
>肉を溶かしながら食べる,というやり方をとるので,本人より
>大きなカタツムリを相手にすることは普通にできる思うよ。
だそうな。
ホタルといえば6月の風物詩だと思っていたけれど、
幼虫はもうこの時期から生きている訳で、
幼虫の頃からせっせと光る練習をしている訳だ。
そして、僕らの目につきやすい種類のホタル以外にもまだまだ多様な種がいる訳だ。
足元を照らす明かりを消して初めて見えてくるものがあるもんだと思った夜だった。
(参考:ヒメボタルの棲む森)